なぜ「自社のことを知らないAI」では物足りないのか
一般的な生成AIは、世の中の膨大な情報を学習していますが、あなたの会社の規程・製品仕様・過去のやり取りは知りません。そのため「自社のルールでは」という質問には正しく答えられません。
この弱点を補うのが RAG(検索拡張生成)です。質問に関連する社内文書をまず検索し、その内容をAIに渡したうえで回答させる、という二段構えの仕組みです。
RAGを支えるのは結局「データの整理」
RAGの精度は、検索対象となる文書がどれだけ整っているかで決まります。
- 文書が最新か 古い規程と新しい規程が混在していると、AIは古い方を引用してしまいます。
- 重複がないか 似た内容の文書が複数あると、どれが正なのか判断できません。
- 意味のまとまりで区切れているか 文書を細かく分割しすぎると文脈が失われ、検索の精度が落ちます。
つまりRAG導入は、AIの設定作業である以上に、社内文書の棚卸し作業です。
最初の対象は「よくある質問」から
全社の文書を一度に対象にすると、整理が追いつきません。まずは問い合わせの多い領域——たとえば経費精算のルールや製品の基本仕様——に絞り、限られた良質な文書から始めると、効果を実感しながら無理なく広げられます。