「コードレビューのたびに、同じ200語のプロンプトをどこかからコピペしている」——心当たりはないでしょうか。Skills は、その“貼り直し作業”を一度きりで終わらせる仕組みです。第2回は、4つの部品の最初の一歩 Skills を扱います。

ひとことで言うと:Skills は「よく使う指示・手順を .md ファイル1枚に保存しておき、必要なときだけ呼び出せる」仕組み。毎回貼り直す手間が消え、しかもコンテキスト(作業領域)も圧迫しません。

Skills とは ― 「繰り返す手順や知識」を覚えさせる

Skills は、Claude に「繰り返し使う手順や知識」を覚えさせておく仕組みです。中身はマークダウン(.md)のテキストファイル1枚で、.claude/skills/ というフォルダに置きます。

冒頭の200語プロンプトの例で言えば、その文章を SKILL.md に一度書いておくだけ。以降は /review-component のようなスラッシュコマンドを打てば呼び出せます。Excel のマクロ(操作の登録ショートカット)に近いイメージです。

「ただのテンプレ」と何が違うのか

「それ、メモ帳にテンプレを置くのと同じでは?」と思うかもしれません。違いは次の2点で、ここが Skills の“納得どころ”です。

1. オンデマンド読み込み ― 抱え込まないから軽い

スキルの中身は、必要になった瞬間に初めて読み込まれます。手順書を100個用意しても、普段 Claude が見ているのは「目次」だけ。使うときに該当ページだけを開きます。だから数を増やしても、Claude の作業領域(コンテキスト)が圧迫されず、本来のタスクに集中できます。テンプレを全文プロンプトに貼る方式だと、この“常に抱え込む重さ”から逃れられません。

2. 自動起動 ― 呼ばなくても気づいてくれる

/コマンド で明示的に呼ぶだけでなく、タスクの内容にマッチすれば Claude が自分で判断して呼び出します。「このコンポーネントをレビューして」と頼むだけで、「これはレビュー用スキルの出番だ」と気づいてくれる。テンプレは自分で探して貼る必要がありますが、Skills は向こうから出てきます。

SKILL.md の書き方 ― フロントマターが肝

ファイル先頭の「フロントマター」(--- で囲んだ設定欄)で、名前や説明を指定します。最小構成はこれだけです。

--- name: review-component description: Reactコンポーネントをレビューする。propsの型・アクセシビリティ・命名を確認したいときに使う。 --- # コンポーネントレビュー手順 以下の観点で対象コンポーネントを確認し、指摘を箇条書きで返す。 1. props に適切な型がついているか 2. アクセシビリティ(aria 属性・キーボード操作) 3. 命名規則がプロジェクトに沿っているか 4. 不要な再レンダリングを生んでいないか
いちばん大事なのは description。 自動起動が効くかどうかは、ここの書き方で決まります。「レビューします」だけでなく、「〜したいときに使う」というトリガー条件まで書くこと。これが甘いと、せっかく作っても呼ばれません。

どこに置くか ― プロジェクト用と全体用

置き場所スコープ使いどころ
.claude/skills/そのプロジェクト限定このリポジトリ特有のレビュー基準・命名規則など
~/.claude/skills/自分の全プロジェクト共通個人的に毎回使う定型作業
2026年時点の補足。 以前の「スラッシュコマンド」と Skills は実質的に統合され、.claude/skills/ に置くのが推奨スタイルになっています。古い記事で「カスタムスラッシュコマンド」を見かけても、今は Skills として読み替えて問題ありません。

▶ 実践編につづく

次回は、この Skills を実際に作って動かします。題材は「今日の最新AI・テックニュースを収集し、要点だけ日本語でまとめて表示する」スキル。description の書き方で自動起動がどう変わるかを、手を動かしながら確かめます。

Skills(実践編)― 作って、つまずいて、直す →

まとめ

  • Skills は繰り返す手順・知識を手順書(.md 1枚)にして覚えさせる仕組み。貼り直しが消える。
  • テンプレと違い、オンデマンド読み込みで軽く、自動起動で向こうから出てくる。
  • 精度を左右するのは description。「いつ使うか」まで具体的に書く。