長い作業を頼んでいると、だんだん Claude の返事がちぐはぐになり、最初に伝えた前提を忘れる——そんな経験はないでしょうか。Subagents は、まさにその“息切れ”を防ぐための仕組みです。第4回は Subagents(サブエージェント) を扱います。

ひとことで言うと:Subagents は「重い調べもの」を別の作業担当に丸投げし、結果の要約だけ受け取る仕組み。途中の大量情報がメインの会話に流れ込まないので、本筋が散らからない。

Subagents とは ― 別の「作業担当」を切り出す

Subagents は、メインの会話とは別の「作業担当」を切り出す仕組みです。各サブエージェントは、独立したコンテキスト(作業領域)・独自のツール権限・独自の指示を持ちます。会議でいえば、本会議とは別室で作業する担当者を立てるイメージです。

なぜ必要か ― 「コンテキストが埋まる問題」

Claude の作業領域(コンテキスト)には上限があります。長時間1つの会話で調査・執筆・修正を続けると、そこが情報でいっぱいになり、最初のほうの内容が押し出されて忘れられていきます。冒頭で感じた“息切れ”の正体はこれです。

解決策は単純で、重い作業を別の部屋でやらせること。たとえば「調査担当」を別エージェントとして立て、Web 調査はその部屋でやらせ、結果の要約だけをメインに返してもらう。すると、調査で開いた大量のページの中身でメインが埋まらず、本筋はきれいなまま保てます。「一人の万能選手に全部やらせるのではなく、専門家を雇う」発想です。

誤解しやすい点。 サブエージェントの主目的は「並列で速くする」ことではなく、メインの文脈を汚さないことです。読む量が多く・使い捨てで・要点だけ欲しい作業ほど、切り出す価値が高くなります。

カスタムサブエージェントの作り方

カスタムのサブエージェントは、.claude/agents/(プロジェクト用)または ~/.claude/agents/(全体用)にマークダウンで置きます。先頭のフロントマターで各種設定を指定します。

--- name: research-assistant description: 複数の候補(お店・商品・場所など)を調べ、要点を一覧表にまとめて返す。「〇〇をいくつか調べて比較して」と頼まれたときに使う。 tools: WebSearch, WebFetch --- あなたはリサーチ専門のエージェントです。 依頼された候補を調べ、比較軸をそろえた一覧表(Markdown表)で返してください。 本文をそのまま貼らず、必ず要点だけを要約すること。
項目意味
nameエージェントの名前
descriptionどんなときに使うか(自動委任の判断材料)
tools使えるツール(権限を絞れる)
model使うモデル(軽い作業は haiku など)
mcpServers接続する MCP サーバ

最初から使える「組み込みサブエージェント」

自分で作らなくても、最初から動いている組み込みのサブエージェントがあります。

  • Explore 高速・読み取り専用(軽量モデルの Haiku で動作)。「Xはどこ?」の調査向き。
  • Plan 調査専用。実装前のプランニング時に使われる。
  • General-purpose フルにツールを使える主力。複雑な委任タスク向き。
  • claude-code-guide Claude Code 自身の使い方を公式ドキュメントから調べてくれる案内役。

▶ 実践編につづく

次回は、上の research-assistant のような調査担当に「温泉宿をいくつか調べて比較して」と頼みます。大量のWeb調査がメインの会話を埋めず、比較表だけがきれいに返ってくる——コンテキスト分離の効果を、目で見て確かめます。

Subagents(実践編)― 温泉宿を調べて比較する →

まとめ

  • Subagents は独立した文脈・ツール権限・指示を持つ「専門の作業担当」
  • 狙いはコンテキストを埋めないこと。重い調査や探索を切り出し、要約だけ受け取る。
  • .claude/agents/ にマークダウンで定義。組み込みの Explore / Plan などもそのまま使える。